農薬・化学肥料・添加物に頼らずに‘食’を創り出す、この20年間に出会った生産者の探訪記。食を探究する生産者や料理人や主婦の方に有機農業の情報も含め、生真面目に丹精込めて作られた食の技、思い、人、その背景を伝えていきたい。紹介する生産者は僕が心から応援したい一緒にあんぜんな食の世界を作ってきた仲間たちです。


〜福島県西白河郡〜 大木代吉本店(2004.3.3訪問・PART1
有機栽培米を使った日本酒醸造の先駆け
安全で良心的な日本酒があるとこを世に認知
2005.3.27訪問・PART2
大木さん


140年の歴史 大木代吉本店へ!
良い食品を作る会』の会員で、安全で良心的な食品作りを旨に純米酒「自然郷」で有機栽培米を使った日本酒醸造の先鞭を開いた「大木代吉本店」。140年前の慶応元年(1865)の創業である。

福島県西白河郡の東北本線矢吹駅に隣接した蔵の白い壁には以前の酒名『楽器正宗』の文字が薄く読み取れます。

近くにある白河城は慶応三年戊辰戦争時の激戦地。この直後、会津戦争となりました。
大木蔵元を初めて訪ねたのは前杜氏と現杜氏の鈴木氏が引継ぎをしていた8年程前でした。
その後、私が有機地ビール工場を立ち上げるとき、蔵元に小泉武夫教授と角田教授を紹介していただき、同教室の女性ブリュワーを得、夢を実現に移せたのも大木夫妻の尽力が有ったからこそでした。

ちなみに、この部屋「お宝鑑定団」で放映、ビックリの価格が!

それでは蔵をご案内しましょう
赤レンガの建物は昔の事務所。
奥の白壁の蔵は醸造仕込蔵です。


静かな蔵の二階にある酒母室。今年の仕込みもいよいよあと一仕込、最後の酒母タンクが一つだけ残っていました。
(写真ブルーのタンク)
精米工程で磨かれた酒米はこの大きな甑(こしき)で蒸されます。

案内していただいた雄太さんがのぞく酒母(もと)タンクには今回使用される清酒酵母が培養されています。
麹むろにも今回使用する麹が準備されていました。この三つの原料と仕込水で仕込まれ、更に蒸米と麹と水を加える工程を初添え・中添え・留めと四段仕込をし、発酵終了後清酒になります。

蔵の一階、醸造室には仕込タンクが並んでいます。
醸造室では杜氏や蔵人が仕込みの準備や発酵管理と忙しく働いています。
吟醸酒や料理酒の貯酒タンク、サーマルタンクと呼ばれるこのタンクは単体で冷蔵温度管理ができます。

発酵終了後の「もろみ」は清酒となるために搾られます。今では連続自動圧搾機を使います。この白い仕切りの袋に酒粕が残り、奥の小さなステンレスタンクに舟口原酒が出てきます。
昔は舟と呼ばれる揚げ槽に小袋に入れたもろ味を積み重ね重石をつけた梃子で搾りました。
7年前の写真ではちょうど搾りの最中だったので舟口原酒を試飲しています。
右からスカイラークなどフードサービス協会に有機野菜を納入する「いずみ」社長一之瀬氏・二人目は元らでぃっしゅぼーや代表・現日本SEQ機構代表徳江氏・大木蔵元・当時らでぃっしゅぼーや代表だった私。
貯酒タンク・昔の貯酒タンクはホーロー引きでした。今でも暗い蔵の中でお酒をじっくりと熟成するのに使われています。
蔵の一角にある杜氏の机には今年の醸造記録簿ありました。
瓦一枚一枚が埋め込まれた「なまこ壁」の蔵から出て製品になります。


このお酒が安全で良心的な“自然酒”と言うジャンルの日本酒があることを世に認知させた「自然郷」(じぜんごう)です。
店内にはこの蔵の製品が並んでいます。
専務の雄太さんと囲炉裏の前で。彼は農大醸造学科を卒業後醸造試験場に勤務。蔵元が一時体を壊したので帰ってきました。とても研究熱心な青年です。
囲炉裏の温もり


注目の料理酒!
いま再び、大木代吉本店を有名にし始めた、純米酒『こんにちは料理酒』です。
食料難の昭和20年代、少ない米から如何に多くの酒を造るかとの課題を解決するため、国と清酒業界はエタノールを添加してアルコール度を増し、これに多量の水を増し食品添加物で味をごまかし日本酒としました。世に言う「三倍醸造酒」三醸酒です。このため今でもこの種の粗悪日本酒は大量に出回っており、日本酒を飲むと頭が痛くなるとか二日酔いがひどいとかで日本酒離れを招きました。

もう一つの方法は醸造技術だけで高アルコール・高アミノ酸の濃い日本酒を造り、伝統的な日本酒と同じ味もアルコールも薄くせずに割り水を多くすることが出来るので増産となる醸造方法でした。しかし採用されませんでした。大木蔵元はこのアミノ酸値が極端に高い醸造方法に惚れ純米酒『こんにちは料理酒』を造りました。
息子の雄太さんも化学調味料でなく自然酒が醸すアミノ酸で安全でおいしい食品造りを多くのメーカーと供に取り組んでいます。

食品製造グループ『蔵の素研究会』はこれからもますます増えることでしょう。次代の代吉夫妻がんばって下さい。
商品のご購入は直接お問い合わせください。


合名会社 大木代吉本店 
〒969-0213
福島県西白河郡矢吹町本町9 
Tel:0248-42-2161




2005.3.27訪問・PART2

大木さん